Rilaxation1『自律神経を整える』

|自律神経とは?

アスリートが必要とする「リラックス」をあなたが理解するためにまず押さえておいてほしいことに「自律神経」という言葉があります。

自律神経を自分自身とで整えていくことができれば、あなたは競技のパフォーマンスを発揮できるようになるでしょう。ここでは自律神経とは何か?、そしてどのように自律神経を整えていけばいいのかを学んでいきます

 

まずは自律神経とは何か?ということですが、自律神経とは「内臓器官のすべて、特に血管をコントロールしている神経」です。心臓や内臓を動かしたり、血圧や体温の調節をしたり、血管や汗腺の機能を調整するような役割を担っています。また、生命活動に欠かせない「呼吸」も実は、自律神経がコントロールしていいます。呼吸も今回のテーマの主役となってきます。

 

自律神経は「交感神経」と「副交感神経」の2種類の神経から構成されています。(※下図参考)

交感神経は車に例えればアクセルです。交感神経の働きがあがると体はアクティブな状態になり、血管はギュッと収縮し、血圧が上昇し、アグレッシブな気分が増したりします。そして、呼吸は速く、浅くなっています。

≫■交感神経が特に優位な状態(例)

・試合前にプレッシャーを感じ、胸がドキドキする

・練習中にコーチから怒られあせっているとき

・ミスが多く、イライラするとき(誰かに怒っているとき)

 

副交感神経は、車で例えればブレーキです。副交感神経の働きがあがると、体はリラックスした状態になります。血管は適度な状態でゆるみ、血圧は低下し、おだやかな気分が増したりします。そのとき、呼吸はゆっくりと深くなっています。

≫■副交感神経が特に優位な状態(例)

・温泉にゆっくりつかり心身ともにリラックス

・カフェでぼ~っとお茶を飲んでリラックス

・不快眠りについているとき

 

そして、心と体が最も良い状態で働き、パフォーマンスが高まるのは、交感神経、副交感神経の両方が高いレベルで安定している状態のときです。交感神経が優位すぎても、副交感神経が優位すぎても良くありません。ですので、自律神経を整えるとは「交感神経と副交感神経のバランスを整える」ということになります。それは同じくらいの人が乗っているシーソーのような関係ですね。

自律神経研究の第一人者といわれる順天堂大学医学部教授の小林弘幸氏は、「プロアスリート、文化・芸能などその道で一流をいわれる人は自律神経が高いレベルで整っていた」と言っています。

 

ちなみに、アスリートが過度にストレスやプレッシャーを感じている場面では、自律神経は「交感神経が優位」になっており、呼吸は浅く、速くなっている可能性が高いです。その状態から、競技のパフォーマンスを発揮しやすい状態にもっていくためには適度にリラックスをする必要があります。そのためには副交感神経の働きを高めていけばよいわけです。副交感神経の働きをあげると、収縮していた血管がゆるむことで血液が体のすみずみ、末梢の細胞まで流れます。その結果、メンタルも体もイキイキとし、パフォーマンスアップにつなげることができます。それでは、ここからどのように副交感神経の働きを高めていけば良いのかを理解していきましょう。

 

|“呼吸”で自律神経をコントロール

最近、アスリートの中でもヨガがブームになりつつあります。サッカー日本代表の長友佑都選手がヨガ関連の書籍を出版し、日本代表のチームメイトにもヨガを教えているなどメディアでも注目されています。ヨガには「身体」と「“呼吸”」に意識を向けコントロールすることでの心身のデトックス、リラックス効果をはかります。そして、私たちが自律神経を整える上でもっとも重要なことが「呼吸」になります。なぜ呼吸が重要なのか?なぜなら、内臓や血管は自分で意識して「しっかり動いて」と言ってもコントロールできているかはわかりませんが“呼吸”だけは意識して浅くも深くもできます。そう、呼吸は自分でコントロールができるのです。ここがポイントです!

そして、自律神経をバランスよく安定させるには「ゆっくり、深い」呼吸が理想的です。ふ~~~~っと「ゆっくり、深い」呼吸をすることで、収縮している血管がゆるみ、質のいい血液が身体のすみずみ、末梢の細胞まで流れ、あなたの日々のストレスやプレッシャーで低下している副交感神経の働きを上げることができるのです。そうして、ココロも身体もいきいきとなり、パフォーマンスもあげることができます。

 

そして、その副交感神経の働きを高める究極の呼吸法が「1:2の呼吸法」です。例えば、3秒鼻で吸って、6秒口からゆっくりと吐きます。特に「ゆっくり長く吐く」ことが大事なのでそこを意識してみましょう。しゅっくり長く息を吐くことで頚部にある圧受容体というのが反応して副交感神経を効果的に高めてくれます。

この呼吸法トレーニングは一日3分間だけでも効果があります。朝や夜にリラックスをしたいときにやってみましょう。

また、呼吸法を行ないながら下にアップしているリラクゼーションミュージックを聴くとされに副交感神経が優位になりリラックスすることができるでしょう。