|セルフトークの復習
まずは、セルフトークの復習をしていきましょう。以下は、前回の記事から引用です。
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あなたの感情を無意識にコントロールしているもの、それが「セルフトーク」です。セルフトークとは自己対話のことで、あなた頭の中でされている自分との会話のことです。自問自答ともいいますね。
例えば、朝目がさめて、「今日は試合、楽しみだな~」「今日は体疲れているな~」と思ったりすることがありますよね。メンタルノートを書くときもセルフトークをしています。「2年後の目標は?そうだな~、○○を達成すること」「今日の練習では何を意識しようかな?今日は○○を意識しよう。」など。また、カフェでお茶を飲んでいるときもぼーっとしているようで頭の中では「友達の○○どうしているかな~」「なんで監督は自分を使ってくれないのだろう」「次の試合で結果を出さないとやばいな」など自分と何かしらの会話をしています。
このような自分と対話、それがセルフトークです。このセルフトークをあなたは1日5万~6万回やっていると言われています。数万回とは驚きですよね。私たちは朝から晩まで、そして寝ていても無意識にセルフトークしているわけです。
では、このセルフトークがどのように感情、そしてパフォーマンスに影響を与えているを説明していきます。下の図をご覧ください。
出来事をどうとらえ、そのマインドセットがどのようなセルフトークを生み出し、感情に影響を与え、そして最終的に行動やプレーを左右するのか、上記が一連の流れになります。次にポジティブな例とネガティブな例の2つをあげてみます。
【Case1:一般的にポジティブな出来事】
出来事:試合の入りが良く、最初のプレーがうまくいった
⇒とらえ方・考え方:「最初のプレーがうまくいくと今日は調子が良い」ととらえる
⇒セルフトーク:「今日は調子がいいぞ!次もこの調子でチャレンジしていこう!」
⇒感情:ポジティブな気持ちになり、自信が高まりモチベーションもあがる
⇒行動・プレー:次のプレーでも積極的な行動、チャレンジングなプレー
【Case2:一般的にネガティブな出来事】
出来事:最初のプレーでミスをする、うまくいかない
⇒とらえ方・考え方:「最初のプレーがうまくいかないときは調子が悪い」ととらえる
⇒セルフトーク:「次もミスしそう。次ぎ取り返さないと。なぜうまくいかないんだろう・・・。」
⇒感情:ネガティブな気持ちになり、不安な感情でテンションがさがる
⇒行動・プレー:次のプレーでも消極的な行動、置きに行くような消極的なプレー
いかがでしょうか?出来事がどのようにセルフトークを生み出し、感情に影響し、行動・プレーを左右するのかが理解できたかと思います。
それでここからが「セルフトークで感情をコントロールする」ための大事なポイントをおさえていきましょう。
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|セルフトークのポイント②「セルフトークをコントロールする」
ここからが今回のトレーニングの本題になります。セルフトークで感情をコントロールするポイントのふたつめを説明していきます。前回の記事で説明したのがポイント①の「とらえ方・考え方(マインドセット)」でした。優先順位としてはマインドセットを変えていくことが重要ですが、すべてを思い通り変えることはなかなか難しいです。ですので、次に大切になってくるスキルが「セルフトークをコントロールする」ことです。どのようにコントロールするかというと、上記の【Case2】を例に説明していきます。
出来事:最初のプレーでミスをする、うまくいかない
⇒とらえ方・考え方:「最初のプレーがうまくいかないときは調子が悪い」ととらえる
⇒セルフトーク:「次もミスしそう。次もミスしたらどうしよう。次ぎ取り返さないと。なぜうまくいかないんだろう・・・。」
ここであなたのセルフトークの傾向を知っていきましょう。次の簡単なワークを行なってください。
【ワーク】
あなたは試合で「最初のプレーでミスをする、うまくいかない」ことが起こった場合、どんなセルフトークをしていますか?ノートに書き出す、または言葉として口に出してみてください。
はい、ご自身のセルフトークが明確になったと思います。それで、上記の例のようにこのネガティブなセルフトークのままでいると、感情もネガティブになり、行動・プレーも消極的になってしまいますので、このようなネガティブになったときにセルフトークを次のようにコントロールしていきます。ここはかなり重要ですので集中して考えていきましょう。
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セルフトーク:
・次もミスしそう→いや次こそは成功させよう!
・次取り返さないと→まずは次のワンプレーに集中しよう!
・なぜうまくいかないんだろう→どうすればうまくいくだろうか?○○にチャレンジしよう!
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このように「感情やイメージがプラスに向くセルフトークに切り替えること」、これがセルフトークをコントロールするということです。このようにセルフトークを切り替えていくことをリフレーミングといいます。これはものの見方・考えかた(枠組み)を変えることをいいます。
人間のセルフトークの7-8割はネガティブなことが中心だと世界的精神科医のダニエル・エイメンがいっています。ですので、ネガティブな思考がおきても問題なく、それは人として当然だと考えてほしいです。しかし、そのままネガティブな思考でいるとプレーや行動に影響していきますので、そのネガティブなセルフトークをそのままするのではなく、プラスにリフレーミングすることが大切です。そのようにネガティブな思考は「プラスに上書き」をすることであなたの脳に新しいプラスの神経回路をつくることができます。
以下に、いくつかのリフレーミング(プラスへの上書き)事例を書いてみました。確認してみましょう。
|視点をかえるリフレーミング
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■もう水がコップ半分しか残っていない→いや、まだ水は半分も残っている!
■残り時間が少ししかない→いや、この時間でできることをチャレンジしよう!
■ケガをしたからまら振り出しだ・・・→いや、この時間はフィジカル、メンタルを向上させるチャンス!
■おれは才能がないからもしれない・・・→いや、才能はつくるものだ。人の2倍努力しよう!
■おれは運がない、もっていない・・・→いや、運を呼び込むほどの行動をとろう!
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このようにマイナスな視点ではなく、プラスに向くような視点にリフレーミングする習慣を身につけることで、例えネガティブなセルフトークをしてもプラスなセルフトークに切り替えることが可能になります。
今回のワークはリフレーミングトレーニングです。テキストに書いてある8個のフレーズをあなたなりにリフレーミングしていきましょう。
【リフレーミング・ワーク】
1.①~⑧の言葉を自分なりにプラスに置き換えるリフレーミングして、書く。
※ページ2に模範解答を掲載しています。
2.リフレーミングした言葉を口に出して読んでみて、どのようなプラスの感情になるかをチェックする。
3.セルフトークをコントロールすることでの感情、行動にプラスの影響があることが実感できたら終了です。
☆日頃の生活からプラスへのリフレーミングを意識して習慣化していきましょう!!
前回のマインドセット、今回のリフレーミングを学び、これでまたトップアスリート思考に近づきましたね!
それではご質問や感想をコメントしてください。
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